キャベツ畑でつかまえた


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 あれは私がまだ小学生低学年の頃でした。

学校の先生が言いました。「青虫は大きくなるとモンシロチョウになるのですよ」

青虫がモンシロチョウになるのは図鑑で私も知っていましたが。

私はその時実際にモンシロチョウになる所を見てみたいな♪と思いました。

私の家の周りはその頃まだまだ畑や田んぼが沢山有り、その中には

青虫が大好きなキャベツを栽培している畑も有る!

僕は友人たちとキャベツを栽培する畑へ行きました。

キャベツ畑には近所のおじさんが一人 僕らはおじさんに・・・

  「青虫を取らせて下さい」

そうするとおじさんはこころよく。「いいよぉ〜いっぱい取りなぁ♪」

おじさんは入れ物まで貸してくれました。

 「ワーイ。アリガトウゴザイマース」

僕らはキャベツ畑に入り 青虫を探し始めた・・・中には青虫でない芋虫もいたが・・・

お構い無しにおじさんから借りた入れ物の中に入れていった。


30分ぐらいしただろうか・・・入れ物の中は青虫でいっぱいになりました。

 入れ物の中で青虫や、なんか知らん芋虫が蠢いています。

 「これぐらいでいいかな?」 そう言っているとおじさんが僕らを呼びます。

「おーいボーズ達!取れたかー?」

僕らは取れたと返事し、おじさんの元に青虫てんこもりの入れ物を持っていきます。

 「坊やたちありがとう」おじさんはにこやかにそう答え、おもむろに入れ物を地面に置き・・・・









  
バリバリ!ぐちゅぐちゃりっつ!!


 
農家の人にとって青虫はキャベツに付く害虫に過ぎなかった・・・。そんな事はうすうす知っていたが・・・。


 その後僕らはご褒美のキャベツを一つ貰い、何も語ることは無く、家路につきましたとさ。



                     ―了―